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特別記事

窯業系サイディングボード目地のシーリング打ち替え

今回は窯業系サイディングボード(以下SB)の目地シーリングについて

書きたいと思います。

 

まず今回の記事は過去にシーリングが打設してあり、かつ劣化している際の

打ち替え方法、打ち替えの判断、注意点などについて書きたいと思います。

 

まずはいろいろな劣化状況からみていきます。

 


これはいわゆる剥離(界面剥離)です。考えられる原因は施工時のプライマー不足、清掃不足、等断面に原因がある場合とシーリングが硬化後にSBが膨張収縮を繰り返していくうちに剥がれたことが考えられます。

 

 



こちらは破断(凝集破断)です。上の写真は表面に破断が始まっており、下の写真は中央部が完全に破断しています。

 

破断の原因は紫外線劣化とSBの膨張収縮による物理的な破壊と考えられます。

 

もちろんシーリング材の耐久性が密接に関係しています。

 

 

当社の修理の考え方

縦目地については基本既存シーリング撤去の新規打設です。例外的な場合もありますが、撤去してみないとシーリングの状態がわからないため、打ち替えを基本としています。縦目地は特に目地間隔が狭くなったり広くなったりしていることも打ち替えとする要素です。この観点から入隅目地は比較的健全な場合が多いです。

サッシ廻り目地は木造住宅の構造上両側に柱が位置していることが多く動きが少ないことから縦目地に比べ劣化が少ない場合が多いです。この部位については現場ごとに判断することとしています。撤去となるとサッシ自体を傷つける可能性もあり慎重な判断が必要ですね。

 

ここから写真を見ながら説明していきます。

 


既存シーリングを撤去し両側にマスキングしている状態です。この際両サイドの小口断面を綺麗に剥がしておくことで新しいシーリングをきっちり密着させることができます。作業にはカッタナイフで切り取る方法と、電動インパクトドライバの先に剥離専用のビットを取り付けて行う方法とがあります。

 


プライマー塗布写真がありませんがSB小口断面にプライマーを塗布し(充填当日に行う必要あり)、既定の乾燥時間を空けたのち、新規シーリングを充填していきます。当社では一液性の変性シリコンを使用することが多いです。(材料については下記にまた書きます)

 



充填後速やかに抑え込み、ならしです。きっちり奥まで充填できるよう意識をもって抑え込む必要があります。当社では金ベラによる抑えを行います。

 


押さえ完了。また速やかにマスキング養生を撤去します。

 



ここまでがSB目地のシーリング打ち替えの一連の流れです。

塗装ができるまでにしばし乾燥です♪

 

途中で少し触れましたが材料についても少し書きますね。

 


当社で基本としているシーリング材です。

数ある材料の中から

①上塗り塗料との相性の良さ、

②ノンブリードであること、

③LM(ローモジュラス)であること、

④変性シリコンであること、

⑤1液性であること

などから選定しています。

 

①について

これは施工店としての経験と塗料メーカーからの情報などによるものです。意外かもしれませんが、塗料メーカーは基本的にシーリング材の上に塗装をかけることを推奨していません。塗膜剥離の可能性があるためです。しかしこれはクレーム回避策であると思います。そもそも変性シリコンは塗料が乗るように改良されたシリコンであることからもそう言えると思います。

 

②について

ノンブリードとは、シーリング材の中に可塑剤(かそざい)と呼ばれる柔軟性を保つ薬剤が入ってない、もしくは少ないことを意味します。この可塑剤がシーリング上に塗ってある塗膜上にシミ出てきて表面を汚染(汚れる)ことがあることを防ぎます。

 

③について

モジュラスとは乾燥したシーリングが伸長圧縮時にかかる力を意味します。この力が弱い、すなわち小さな力で身長圧縮できるという意味ですね。このことで剥離を抑制します。

 

④について

変性シリコンであることで紫外線劣化に一定の耐久性を持たせることができます。上に塗膜をかけることで一層紫外線劣化を抑制できます。

 

⑤について

1液性であることから現場攪拌の2液性よりも材料安定、攪拌不良などのことが起きません。現場作業では意外と重要な要素です。

 

最後に

シーリングに求められる性能と上塗り塗膜に求められる性能は相反する部分が多く、塗装業者を悩ませることが多い工事です。当社ではシーリングの専門職の協力業者と密に連携し、最適な仕様決定、施工を心がけています。

 

これで一旦シーリングの記事を終わります。(また追記しそうですが・・。)

 

 

 

 

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