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塗料の樹脂以外の分類方法


塗料は「アクリル樹脂」「ウレタン樹脂」といった**樹脂(主成分)**による分類が最も一般的ですが、実務や専門分野ではそれ以外の切り口でも細かく分類されます。




主に以下の5つの観点で分類することができます。




1. 希釈剤(溶媒)による分類




塗料を薄めるために使う液体の種類による分類です。




水性塗料(水系): 水で薄めるタイプ。臭気が少なく、環境負荷が低いため、現在の建築塗装の主流です。




溶剤系塗料(油性): シンナーなどの有機溶剤で薄めるタイプ。密着性や耐久性に優れますが、臭いが強く、火気厳禁です。




無溶剤塗料(粉体塗装など): 溶剤を全く含まないタイプ。粉状の塗料を静電気で付着させて焼き付ける「粉体塗料」などがこれに当たります。




2. 乾燥・硬化のメカニズムによる分類




塗料が「どうやって固まって膜になるか」という仕組みによる分類です。




揮発乾燥型: 水や溶剤が蒸発するだけで固まるタイプ(ラッカーなど)。




酸化重合型: 空気中の酸素と反応して固まるタイプ(合成樹脂調合ペイントなど)。




化学反応型(2液型): 主剤と硬化剤を混ぜることで化学反応を起こして固まるタイプ(エポキシ樹脂、ウレタン樹脂など)。




焼き付け乾燥型: 高温の乾燥炉に入れて熱で反応させるタイプ(自動車や家電の工業塗装)。




紫外線(UV)硬化型: UVライトを当てることで瞬時に固まるタイプ(スマートフォンのコーティングなど)。




3. 塗装工程による分類




塗装の順番による役割の違いです。




下塗り塗料(プライマー、シーラー): 素材(鉄やコンクリート)との密着を高め、錆止めなどの機能を持たせるもの。




中塗り塗料: 膜厚を稼ぎ、平滑にしたり上塗りの発色を助けたりするもの。




上塗り塗料: 最も外側に来る、色・ツヤ・耐候性を担う仕上げ用。




4. 光沢(ツヤ)による分類




見た目の仕上がりによる分類です。




全ツヤ(ツヤあり): 鏡のような光沢がある。




7分ツヤ / 5分ツヤ(半ツヤ) / 3分ツヤ: 光沢の強さを段階的に調整したもの。




ツヤ消し(マット): 光沢を抑え、落ち着いた質感にするもの。




5. 用途・機能による分類




「どこに塗るか」「どんな特殊効果があるか」による分類です。




部位別: 建築用、自動車用、船舶用、木工用、道路用など。




機能別: 防錆(サビ止め)、遮熱・断熱、防汚、抗菌・抗ウイルス、電気絶縁など。

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